リマのフォルクローレディナーショー

 リマには2泊した。そのホテルはシェラトンホテルといって、旧市街にあった。14階の部屋にT君と泊まったのだが、最上階のそこから1階まで吹き抜けで、まるでスーパーマンのロケに出てくるようなシチュエーションであった。玄関には誇らしげに5つ星のエンブレムがかかっていて、リマでも一流、有名なホテルのようであった。なぜこうも長々と書いたかというと、「そういうホテルで」フォルクローレディナーショーがひらかれ、どんな具合であったかを書くことは、ペルーでフォルクローレがどういう風に扱われているかを知る格好の手がかりりとなるからである。短兵急に、誤解を恐れずに言えば、日本の丸の内官庁街にある「帝国ホテル」(実際にはありませんけど)で「邦楽」「お琴、三味線、尺八」「お祭りのお囃子」「お神楽」、、、、、、を夕飯を食べながら鑑賞するとでもいうようなシーンを想像してみてください。

ホテルのロビーに張られたポスター

夕食中に給仕のボーイさんに尋ねると、ドンピシャリ、今日9時半からあるのだという

料金は食事つきで26ドルだそうで、ペルーの物価を考えると日本で言うところの1万円か2万円ぐらいのディナーショーにあたるでしょう。

おなかがいっぱいとなったので、ロビーの外野席から「観望」することとした。(宿泊客からか「ご遠慮ください」とはいわれません。他にも大勢いた)
突然ケーナの「オリャンタイ」が悲壮にそして高らかにフィーチューアされたかと思うと、「輿」に乗ってインカ皇帝が従者を引き連れ、目の前をとおり、そしてステージへと静々と登壇した。

後で分かったのだがこの人たちは踊り手の方が扮している

続いて伝統舞踊を披露
次に登場は女性の歌い手

現代的な歌を歌った。

フォルクローレミュージシャンを常にバックにいて、演奏し続ける
踊りが続く
ディアブラーダ
ここでなぜか突然ビデオカメラマンとともに花嫁が入場した

結婚式の2次会というより「披露宴」といった正式な感じがする。
出演者一同、二人の門出を祝福する。
そしてまたオリャンタイが流れ、インカ皇帝は静々と退場していき、ショーは終わった。2時間弱のステージで終わりは深夜11時半。

結婚式の披露宴にフォルクローレ、インカ皇帝、伝統舞踊、これですべてが語りつくされている。
フォルクローレは日本では音楽ジャンルの一分野だが、ペルーの人たちにとっては、「大切なもの」、「人生の節目で出てくるもの」、「伝統」で「自分たちのアイデンティ」そのものなのだろう。

(この稿平成17年9月4日記す)


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